第二話・裏切り

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 王族専用の豪華な馬車の扉が従者の手によって開けられると、女王サラは身を屈めて小さな出入り口をくぐり、外へ出た。
 照りつける日差しの眩しさに若干目を細めながら馬車から降りて、大地を踏み締める。
 長い間 窮屈な馬車の中にいたために身体が硬くなっており、サラはうんっと大きく背伸びをしたい衝動に駆られたが、護衛や従者の手前もあり已む無く自省した。
 一年近く前に王位を継承してから、サラは周りに少しも弱みを見せることなく過ごしてきた。まだ十七歳でしかない彼女が、お飾りではなく実権を持った女王であり続けるには、常に虚勢を張り、またそれを周囲に悟らせないようにしなければならなかった。
 数々の実績を上げて実力を認められるようになってきた現在であっても、やはりそれは同じだ。むしろ、辣腕家の女王としての偶像ができつつある現在のほうが、より虚勢を張る必要があるくらいだった。


 サラは目の前の巨大な屋敷を仰ぎ見た。
 王国内で多大な影響力を持つリース公爵家の私邸。石垣を積み上げられたこの堅固な建物は、要塞と言っても遜色はない。加えて、丘陵に建てられているという立地もある。貴族たちの持つ一万とも言われる私兵がここに篭もれば、王国軍相手にも年単位の篭城戦が可能であろう。
 サラが水面下で推し進めている奴隷解放の過程の中で、奴隷の上に成り立つ貴族制の元締めであるリース公爵ならば、最終的に反乱という手を打ってくることは、十分に有り得る話だ。
 その時リース公は、王国の全貴族に結集を呼び掛けるだろうが、そこまでの強攻策に出る頃には、彼に味方する者などほとんどいなくなっているであろう。そうなる算段をサラは既に付けていた。
 妹の夫を裏から策謀で追い詰めていることに若干の後ろめたさを感じながら、サラ女王は、10人ほどの護衛と従者と共に、公爵家の侍従長に案内されて屋敷の中に足を踏み入れた。



 客間でしばらく待つよう侍従長に言われると、サラたちは唖然とした。およそこの国の女王を迎える態度ではなかった。わざわざ訪問してきた国王をただの客間で待たせるなど、通常考えられないことである。
 口々に不満を唱える護衛たちの中で、サラだけはすぐに公爵の真意を洞察した。
(どうやらリース公爵は、少なくとも間抜けではないようね……)
 リース公は、子飼いの貴族を取り込まれたことを察知したのだろう。サラが奴隷解放に本気で取り組もうとしていることを悟り、公爵は挑発することによって女王の反応を見ようとしているのだ。  奴隷解放政策にとって邪魔でしかない大貴族を、サラは懐柔しようとするのか排除に動くのか、それを見極めたいに違いない。
 サラとしてはどちらでもよかったし、どっちの術策も既に用意してあるのだが、まだ下準備の段階である今の時点では決めかねていたところだった。だがしかし、それはついさっきまでの話である。
 たった今、サラの方針は決定した。
 公爵はおそらく、サラの巧みな情報操作によって作り上げられた『優しさに溢れる寛大な女王』という幻影に踊らされ、サラを甘く見てしまい、こうして試すようなマネをしてしまったのだろう。
 だが実際のサラは、使命感を持った信念の女王であり、それを貫くためには手段を選ばず、障害になる者には容赦をしない。女王としての自尊心も相応に持ち合わせている。
 プロビオン王国の頂点に立つ自分に対して働いた不敬を水に流せるほどサラは慈悲深くなかった。

 従者に案内されて玉座の間に入ってきた女王サラを、リース公は玉座に深く腰を下ろしたまま出迎えた。
 彼が従者を下がらせると、室内にはリース公爵とサラ女王だけが残された。


「これはこれは、女王陛下。遠い所からよくお越し下さいました」
 階段五段分ほど高い位置にある玉座は、座っていてもサラを見下ろせる高さにあった。そこにリース公が踏ん反り返っていのである。これではどちらが君主でどちらが臣下か分からない。
 公爵の慇懃無礼な態度に、サラはやや大袈裟に眉を顰めて不満を露わにした。
 リース公はそれに気付かぬ振りをしながら、女王を見下ろしつつ話を続ける。
「私のような一貴族の元をわざわざ尋ねて下さるとは、光栄の至りでございます。今回はどのようなご用件で?」
「面倒な言い回しは不要よ、リース公。わたくしに一々そんなことを説明させるつもり?」
「失礼致しました。まあ、今日のところは難しい話はなしにして、ゆっくりお休みになって長旅の疲れを――」
「それこそ不要だわ。そんな幼稚なはぐらかしが通用するのは、公爵家の威光が通用する相手に対してだけよ」
「これは手厳しい……」
「貴方の酷使している奴隷をわたくしにお見せなさい。もしも非人道的な扱いをしていた場合は、貴方の処遇について考えがあるわ。公爵、覚悟はよろしい?」
「それはもちろん。女王陛下がお望みとあらば」  女王とはいえ遥かに年下の少女の攻撃的な物言いに、リース公は怒りに震えながらも、なんとかこの場は苦笑を浮かべるに留めた。
 サラが挑発に乗ってここまで攻撃的になるとは予想外だった。もはや対立は避けられないだろう。こうなれば女王陛下には消えてもらうしかない。それも、今すぐに。
 時間が経てば経つほど、この有能すぎる女王は、自身に有利な状況を作り上げていくだろう。
 わずかな護衛だけを連れて女王が公爵領に乗り込んでくることは、おそらく二度とはない。次にサラがこの地を訪れる時があるとすれば、王国精鋭の騎士団を引き連れてリース公の全てを奪いに来る時だ。
 今がサラ女王を亡き者にする千載一遇のチャンスだ、とリース公は思った。
 むろん、後始末は容易ではない。女王は公爵領へ来る前に行方不明になった、とリース公が主張しても、どこまで他の貴族を納得させられるかは分からない。
 しかしそれでも、私兵を持ってして騎士団と軍事衝突をするよりは、よほど分の良い賭けだ。少なくともリース公にはそう思えた。
 なにより公爵夫人アマンダの存在がある。サラ女王の妹である彼女が味方しているのだから、宮廷を納得させるのも多少は楽になるだろう。
 妹アマンダの裏切り。これにはさすがのサラ女王も全く予測していないに違いない。リース公は彼女たち姉妹の関係をよく知らないが、数えるほどしかいない護衛だけで敵地ともいえる公爵領に乗り込んできたことからも、それは明らかである。  少なくとも姉の方は、自分に危害が加えられるのを妹が良しとするとは思っていないのだ。
 それこそが、公爵がサラに付け入る唯一の隙であった。時間も場所も環境も、現状では最高の条件が整っている。今ならば、歴史の流れを加速させる稀代の名君を、この手で止めることができる。
 リース公は決意を固めてサラに向かって言った。
「では、この邸宅にいる奴隷を見ていただきましょう」

 公爵夫人にして女王の妹であるアマンダは、邸宅の地下牢で奴隷たちに鞭を振るっていた。
 地下牢に繋がれている奴隷はいずれも容姿に優れた若い女性である。公爵領の奴隷の中から選りすぐって集められた彼女たちは、リース公やアマンダの慰め者になるためだけにこの地下牢で飼われていた。
 広々とした地下牢に、一糸も纏わぬ姿の奴隷たちが、横一列で四つん這いになって尻を突き出している。
 アマンダは並んでいる尻に向かって無差別に鞭を振り下ろした。
「あぐっ!」
 ひとりの奴隷が痛みに耐え切れず声を漏らすと、アマンダはその声にピクリと反応して睨み付けた。
「またおまえなの、マリーカ!? いつまで平民気分でいるつもり!?」
「も、申し訳ございません、アマンダ様」
 マリーカと呼ばれた少女は震えながら謝罪した。彼女は他の奴隷たちとは違い、先日まで平民として不自由のない生活をしていたのが、ある日突然、街でリース公爵に目を付けられて、無実の罪で奴隷階級に落とされたのだった。
 生まれながらの奴隷とは違って虐待経験のない彼女は、まだ鞭打ちの痛みに耐えることができなかった。
 横に並んで四つん這いになっている奴隷たちから冷ややかな目を向けられて、マリーカは身体を縮こまらせた。
 地下牢で飼われている奴隷同士の間にも、暗黙の上下関係が存在する。基本的には、長く地下牢で飼われている奴隷ほど権力が強い。つい先日連れてこられたばかりのマリーカは、奴隷の中でも一番身分が低かった。
 元平民のマリーカは、先輩奴隷からの風当たりもきつく、地下牢に入れられて以来、同じ奴隷からも相当な嫌がらせを受けていた。
 アマンダは鞭を仕舞って、四つん這いになっているアマンダの前方に移動した。
「おまえも今日から先輩として新人奴隷の面倒を見るようになるんだから、いつまでもムチを耐えきれないでどうするの」
「え? あ、あの……」
「新しい奴隷が入るって言ってるの。馬鹿だね、おまえは」
「も、申し訳ありません」
 マリーカは慌てて頭を下げたが、密かに喜びを噛み締めていた。
 新人奴隷として他の奴隷たちに扱き使われていた日々が、今日で終わるのだ。一番の下っ端の役割である、地下牢の片隅に置かれている壺に溜まった排泄物の処理や、運ばれてきた邸宅の使用人たちの残飯の分配。それらをやらされる度に難癖を付けられ、先輩奴隷にヤキを入れられることも、ようやく終わるのである。
「嬉しいでしょう、マリーカ?」
「い、いえ。そんなことは……」
 図星を指されて狼狽するマリーカを楽しそうに眺めた後、アマンダは上機嫌で他の奴隷たちの顔を眺め回した。
「新しい奴隷はもうすぐここに来るはずよ。この国を統べる女王、サラ・フィン・プロビオンがね」
 四つん這いで横一列に並んでいる奴隷たちは、唖然としてアマンダを見上げた。

 リース公に案内されて、サラは地下牢へと続く階段を下りていった。
 明かりが乏しく薄暗い石段は、何故だかサラを不安にさせた。
 前方を黙々と歩く公爵にサラは声を掛ける。
「この先に本当に奴隷がいるの? もう随分とくだっているようだけど……」
「もちろんでございます、女王陛下」
 振り返りもせずに、リース公は前を向いたまま慇懃無礼に答えた。
 公爵の態度にサラは嫌な予感がしたが、まさか今更そんな理由で引き返すなどと言い出すわけにもいかず、仕方なく後を付いていった。


 やがて大きな鉄扉の前に着くと、リース公は、そこで見張りをしていた門番に扉を開けさせ、中に入っていった。
 妙に厳重な警備に疑問を抱きつつ、サラも後に続いた。
 足を踏み入れてまず最初に、サラの鼻を悪臭が突いた。排泄物の臭いだということはすぐに分かったが、その質と量は今まで嗅いだことのある臭いとは桁違いだった。
 息が詰まるほどの強烈な臭気に、サラは思わず鼻を押さえる。
「リース公、一体これは何の臭いなの?」
 舌足らずな女王の言葉に、公爵が愉快そうに笑いながら振り返った。
「奴隷達の汚物の臭いでございます、女王陛下。いかにも最下層の奴隷らしい臭いで、私は好きなんですがね。女王陛下は御気に召しませんでしたかな?」
「なっ……」
「それよりどうですかな、我が邸宅で飼っている奴隷たちは。中々調教が行き届いているでしょう?」
 リース公が前に向き直ると、サラも釣られて視線を前方に送った。
 すぐ目の前に鉄格子があり、その奥で奴隷と思われる者たちが10人程、全裸で四つん這いになって、こちらに傷だらけの尻を向けていた。
 奴隷たちの手前には、豪華な衣装に煌びやかな宝石を身に纏っている女性が立っていた。手には鞭が握られており、彼女が奴隷たちの尻に無数の傷を作った張本人であることは明白だった。
「やめなさい!」
 思わず叫ぶと、鞭を持った女がちらりとだけサラを振り返った。彼女はサラが思ったよりもずっと幼い顔をしていた。一瞬だけしか見えなかったのでよく分からなかったが、サラはその顔がアマンダに似ているような気がした。
 しかし、頭を振ってすぐに思い直す。こんな酷いことを妹がするはずはない、とサラは自分に言い聞かせた。
 女が鞭を振り上げると、サラはそれをなんとか止めようとして、鉄格子の出入り口部分を思いきり引き寄せた。まさか本当に開くとは思わなかったが、意外にもあっさりと鉄格子の入り口が開いた。
 何故カギが掛かっていなかったのか、サラは深く考えるよりも先に地下牢に入り込んで、鞭を持っている女の手を掴んだ。
「やめなさいと言っているでしょう!」
 強い調子で睨みながら相手の顔を覗き込むと、サラは「あっ」と声を漏らして女の手を離した。
 目の前に立っている女がアマンダであることに気付いたのだ。
「見間違いではなかったの……」  サラは小さく呟いた。
「ごきげんよう、お姉様」
 アマンダは悪びれる様子もなく挨拶をした。
 サラの方は動揺するばかりだ。
「な、なぜ、貴女がこんなことを……」
「こんなことって、鞭打ちのことですか? お姉様、奴隷をどうしようがそれは所有者の勝手ですのよ?」
 アマンダはそう言って、四つん這いの姿勢で突き出されている奴隷の尻に鞭を叩き付けた。ビシィッと乾いた音が地下牢に響き渡る。
 サラは蒼褪めながらも、アマンダと奴隷の間に割って入った。悲痛な顔をして口を開く。
「奴隷だって同じ人間よ。どうしてそれが分からないの」
「お姉様こそ、平等思想が今の時代にそぐわないことがお分かりになりませんの?」
「だとしたら私がこの時代を変革させるまでよ」
「それでは困ると言っているのです、わたくしは。いえ、わたくしだけでなく、この王国の全ての貴族が困ることになりますわ」
「アマンダ……」
 なぜ自分の言うことを理解してくれないのか、サラには分からなかった。いつも自分の横でニコニコしていたアマンダとは別人なのではないかとすら思えてくる。これが妹の本性なのだとは信じたくなかった。
 サラが余りのことに呆然としていると、突然、背後で金属音がした。重い音だった。  鉄格子が閉じられたのだと直感して、サラは慌てて振り返った。
 リース公が鉄格子に鍵を掛けようとしていた。


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