第三話・野戦

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 盗賊たちは平原に集まっていた。彼らは槍や弓など思い思いの武器を携えている。
「やっぱり正面から私たちを打ち破るつもりでいるみたいね。分かり易くて助かるわ。砦に籠もられるよりよほどいいし」
 アンジェリカは笑みを浮かべた。
「確かにそうですね」傍らにいるクルルが応じる。「同数なら何とかなると踏んだのでしょう。あるいは……」
「うん?」
「百人斬りをやってのける盗賊がいるという話を聞いたことがあります。その者の力を活かせば何だってできるでしょう」
「ちょっとちょっと。そんなのが出てきたら困っちゃうじゃないの」
「ただの噂話ですので、それほど心配する必要はないと思います。ですが一応、心には留めておいて方がいいかも知れませんね。誇張が入っているにしろ、盗賊の中にそれなりに腕の立つ者が混じっている可能性はあるわけですから」
「まあ、たとえ百人斬りの盗賊が出てきたところで、私は負けないけれどね。損害は避けられないでしょうけど」
「かもしれませんが、あまり油断しないようにしてください」
「はい、はい」
 アンジェリカは涼しげな表情で頷いた。
「敵軍、動き出しました!」
 兵士からの報告を受けてアンジェリカは盗賊の群れを見据え、丁寧な口調で言った。
「こちらも動きます。予定通り、各隊長に連絡してください」
 アンジェリカの命を受けて本隊の兵士たちは慌ただしく動き始めた。

 盗賊たちは前進を始めたが、その隊列はひどく乱れていた。個々人が王国軍に向かって好き勝手に歩みを進めているに過ぎなかった。彼らの足並みを揃えさせるべき頭目らしき人物も、雑然とした行軍を当然のものとして看過している。 
 最前線の敵味方が交戦する距離まであとわずかとなると、盗賊たちは大声を上げて無秩序に走り出した。
 対する王国軍は、整然と待ち構えていた。不安そうな顔を見せていた百人隊長の面々も、今は目前の敵を処理することのみに集中しているようだった。
 今回は楽に勝てそうだ、とクルルは思った。直前にアンジェリカの油断を戒めたばかりだが、しかし負ける要素は見当たらない。
 百人斬りの猛者とやらが実在していたとしても、勝利は揺るがないだろう。優秀な指揮官の下で戦況に応じて投入されるのならば話は別だが、盗賊たちの動きを見ていれば、それは有り得ないことであると分かる。
 アンジェリカが最前線で指揮を執っていないことがクルルを余計に安堵させていた。盗賊たちとアンジェリカ本隊の間には、最先任の百人隊長であるダールトンが立ちはだかっている。百戦錬磨の彼の部隊を盗賊たちが突破できるはずもない。
 初期の構想ではアンジェリカの本隊が最前列に陣取ることになっていた。そこをダールトンの再三に渡る申し出により、後列に回ることとなったのである。
 盗賊たちの突進をアンジェリカが直接受け止めることに関しては、クルルも一抹の不安を覚えていたので、内心ではダールトンに感謝していた。むろん彼としては、王族に戦死などされてはたまらないという思いから動いたのであろうが、それでも自らの体を張って守ろうとしてくれるのは、主だった幹部の中でもダールトンただひとりだった。
 クルルは感謝すると同時に感心もしていた。総大将が実績の少ないお姫様という、彼らにしてみれば先行きの全く見えない状況の中で、ダールトンは自らの意思でより重い責任を負ったのだ。最先任の百人隊長としての責任感と、自分になら務まるという自信が、彼の言動から垣間見えた。
 アンジェリカが最終的に彼の直言を受け入れたのも、おそらくその辺りに起因しているのだろう。でなければ、自身の指揮能力を誇示できる最前線をアンジェリカが簡単に譲り渡したりはしない。本人の口から言われたわけではないが、いちいち聞くまでもないことだった。
「射て!」
 アンジェリカが短く言うと、本隊から無数の矢が放たれた。それを合図にして、各百人隊からも次々と矢が射られていく。天に向かって打ち上げられた矢は、空中で弧を描き、凶刃の雨となって盗賊たちに襲い掛かった。
 敵の足は大きく鈍った。クルルが想像していた以上の狼狽を晒している。まるで矢を射掛けられたのが初めてであるかのようだった。もちろん、実際にはそんなことはないだろう。盗賊同士の小競り合いや、辺境の警備隊との戦闘で、弓矢が一切使用されなかったとは考えられない。どのような規模であろうとも、弓矢は必ず戦場の主役となる。
 盗賊たちの醜態は、彼らの練度の低さを証明していた。
「全軍、前進!」
 無防備な盗賊たちにたっぷりと矢を浴びせてから、アンジェリカは歩兵隊を前進させた。左翼と右翼に配置している騎馬隊には、さらに急進するよう伝令を飛ばす。
「これは早く片付きそうね」
 小声で話し掛けてくるアンジェリカにクルルは首肯した。
「ええ。ですが、姫様」
「分かってるわ。油断禁物、でしょう?」
「そうです。分かっているのならいいのです」
 言いながらも、少し慎重すぎるかな、とクルルは思った。すでに、如何にして勝つかということよりも、どのような勝利を収めるかが問題になるような情勢になっていた。
 アンジェリカの作戦指揮以前に、相手が弱すぎた。盗賊団としては過去に例がないほどの規模とは言っても、所詮は夜盗の類。こちらの総大将が誰であろうとも、今と大して結果は変わらなかっただろう。
 こうなったらただの勝利ではなく、圧倒的な勝利が望まれる。力を示さなければ、アンジェリカを見る周囲の目は変わらないのだ。

 ダールトンの指揮する百人隊は、盗賊たちの必死の反撃を正面から受け止めていた。王国軍の陣形が横に伸びている分、最前線には局地的な兵力差が生まれたが、精強なダールトン隊は勇猛な指揮官の下で盗賊の猛攻をよく凌いだ。
 戦況が長期に渡って膠着したならば、さすがに数の差でダールトン隊も崩れていたに違いない。アンジェリカのいる本隊を突かれることも有り得た。だが、短期で全てを終わらせるという前提においては、ダールトン隊に全面的な信頼を寄せても良いだろう。クルルはそう判断した。
「評判以上に有能なようね、彼は」
 ダールトン隊の善戦を眺めながらアンジェリカは満足そうに微笑んだ。
「ええ、そのようです」クルルは頷いた。「ダールトン隊長が貴族の出ならば、今頃は将軍と呼ばれていたかもしれませんね」
「そのあたり、彼はどう思っているのかしら」
「不満には違いないでしょうけれど、歳も歳ですし、そういうものだと達観しているのではないでしょうか」
「そんなところでしょうね。でも、まさか完全な無欲ってことはないでしょうから、出世を約束してあげれば案外簡単に懐柔することができたりして」
「才覚に相応しい地位を与えるのは結構なことですし、ある程度の効果はあるでしょうが、それだけで忠誠心を得られるとは思いませんけれど……」
「まあ、そうね。実力のある上官の下で自分の力を発揮したいというタイプかしらね、彼は」
「ですね。今回の戦でアンジェリカ様の力を認めてもらえるといいのですが」
 これまで何度か戦場を経験してきたアンジェリカは、誰もが成し得ないような武勲を挙げてきた。しかし必ずしもそれを周囲に評価されてきたわけではない。先入観を打ち消すためには、一度の結果だけでは不十分なのである。
 偶然に過ぎない。運が良かっただけだ。そのような言葉を聞かされたことが何度あったか分からない。
「他の者ならばともかく、ダールトン隊長なら、一度の機会で姫様の力を見抜くことができるでしょう。おそらく」
「そうね」
 アンジェリカは前方を見据えた。
 クルルも、追うようにして視線を前に向ける。
 前線部隊は一進一退の攻防を繰り広げていた。ダールトン隊にはそれなりの疲労と損耗が出始めているはずだが、今のところ一見してそれを感じさせるようなことはない。
 一方、左翼と右翼の騎馬隊は、盗賊団の両側面まで移動を終えていた。ダールトン隊を中心にした歩兵部隊が耐えている間に、どうやら盗賊を包囲することができそうだ。
 クルルはアンジェリカの表情を窺った。顔を見ただけで心を読めるわけもなく、アンジェリカの心情は掴めなかった。本陣を前に出して自分も最前線に躍り出たいなどと言い始めなければいいのだけれど……。
 実力を示すのには都合が良いかもしれないが、なにも好んでリスクを犯すこともないだろう。
「ダールトン隊から伝令!」
 兵からの報告に、クルルは肩をびくっと震わせた。まるで自分の心配が読み取られ、大声でたしめられたかのような錯覚がしたのだ。
「アンジェリカ様、ダールトン隊長からの言伝です!」
 伝令兵はアンジェリカの側まで来て膝をついた。
 アンジェリカは丁寧に応じた。
「ご苦労様です。聞かせてください」
「申し上げます! 現在、前線において戦力劣勢のため、援軍を乞うとのこと!」
「援軍ですか」
 伝令の言葉をゆっくりと咀嚼した後、アンジェリカは頷いた。
「なるほど、分かりました。ダールトン隊長には、アンジェリカが承知していたとお伝えください」
 伝令兵が去るとクルルはアンジェリカに耳打ちした。
「どういうことでしょう? 前線はこちらが見ている以上に状況が逼迫しているのでしょうか?」
「いえ、そうではないわ。ダールトン隊長が早々に私の力を認めたといういことよ。早く最前線に出てきて、より多くの実績を私自身の手で上げろと言っているのよ、彼は。私に恩を売ろうとしているのでしょうね。さっきまで私が死ぬことを恐れていたというのに、その心配がないと分かった途端、あっさりと切り替えて、今から先々のことを考えているなんて、恐ろしいまでの有能さだわ。早々に味方に取り込めて助かったわね」
「確かに恐ろしいですね。包囲網構築の手際だけを見てアンジェリカ様の実力を見抜くとは」
「頼り甲斐があっていいんじゃない? それじゃ、ダールトン隊長の要請通り、本陣を動かすとしましょうか」
「…………」
「うん?」黙ったまま反応を返さないクルルの顔を、アンジェリカが覗き込む。「どうしたのよ、クルル。これだけ情勢に余裕が出てきたのに、それでも私が前に出るのは反対?」
「いえ」
 会戦前に意見を同じくしていたダールトンが、前言を翻してアンジェリカを呼んでいるのだ。それには様々な思惑があるとはいえ、前線を支えているダールトンがそう判断したのだから、アンジェリカが不慮の戦死を遂げる可能性は限りなく低いのだろう。それは理解できる。
 ただ少しだけ戸惑いがあっただけだ。アンジェリカが自分以外の者を頼りにすることは初めてであり、なんだか無意味に異を唱えたくなってしまう。もちろん、それほど強い欲求ではないし、引きずるつもりもないのだけれど。
 クルルは言った。
「どうぞ、姫様のご随意に」
「ええ」アンジェリカは頷き、周囲に向けて声を上げた。「本陣、前進! ダールトン隊と盗賊の間に割って入ります!」

 アンジェリカの直接指揮する本隊が最前線に到達したのは、左翼と右翼の騎馬部隊が両側面から盗賊団を圧迫し始めた頃だった。この時には既に盗賊団の戦意は著しく低下していた。
 ダールトン隊とアンジェリカ隊は、即興の連携で盗賊たちの攻勢を止め、逆に押し返し始めた。
 さらに急進して盗賊団の隊列を一気に突き崩そうと思えば容易にできたが、アンジェリカはあえてそうしなかった。無理をしなくても勝手に相手の方から崩れていくのは目に見えていた。
 左右両翼の騎馬隊が次々に攻撃を加え始めると、まもなく盗賊団は恐慌状態に陥った。最初に矢の一斉射撃を浴びて以降、終始 士気を低下させていた盗賊たちであるが、武器を捨てて逃走しようとする者が出てきたのはこの時からである。
 アンジェリカは、功に焦って必要以上に前進することはせず、あくまでも冷静に包囲網の完成に努めた。騎馬隊の陣形を横に伸ばしつつ、包囲を狭めて、敵の逃げ道を塞いでいく。

 盗賊団の指揮官のうち、何人かはアンジェリカの冷酷な意図に気付いて戦慄した。王国軍が突撃でも仕掛ければ、今なら即 決着がつく。盗賊団は簡単に蹴散らされてしまうだろう。にもかかわらず首尾一貫して盗賊団を囲い込もうとしてくる王国軍の真意は、殲滅以外にない。ひとりでも多くの盗賊を手に掛けるつもりなのだ。それを悟った盗賊の指揮官は、決死の覚悟で敵陣の突破を図った。
 彼らが最後の突破口として選択したのは、歩兵隊と騎馬隊の間にある僅かな隙間だった。そこに突撃して抉じ開け、無理やり逃走ルートを確保しようとしたのである。
 しかしながらアンジェリカはそれを見越していた。そこに出来ているスペースは、アンジェリカがわざと放置しているに過ぎなかった。
 包囲されようとしている盗賊が一か八かの一転突破をしようとするのは予測の範疇だが、彼らがそのルートをどこに見出すかまでを事前に知るのは難しい。そこでアンジェリカは、こちらから逃走用の道を作ってやったのだった。
 待ち構えていた歩兵隊と騎馬隊は、突進してきた盗賊を挟み込みつつ押さえ込んだ。不意を突かれたのならばともかく、突撃を予期して身構えていた王国軍を、指揮の乱れた盗賊たちが打ち破れるはずはない。盗賊団の最後の望みは瞬く間に消え去った。
 そこから先の戦場は一方的な展開を見せた。
 横に伸びた左右の騎馬隊は、包囲をきっちりと完成させ、盗賊の逃げ場を奪い取った。戦意を喪失した盗賊を切り伏せながら歩兵隊はじわじわと前進し、包囲網を狭めていった。盗賊の数が減ればその分だけ歩兵隊は足を進めた。
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