最終話・私と姫様の物語

女子高生レイプ小説
厳選無料エロ漫画
学校であったエッチな羞恥体験談
 閨には女の匂いが漂っていた。
 後ろから抱きすくめられた状態で、クルルは男に秘唇を弄くられていた。相手は、これまで数え切れないほどクルルの身体を貪ってきた男、オイゲンである。
 アンジェリカが戦場でひとつ功績を挙げるたびに、オイゲンは後宮に足を運んで、クルルを穢した。そうすることで、才能豊かな妹への嫉妬心を慰めているのだった。
 後宮から出ることの叶わないクルルには、オイゲンの口から漏れる愚痴が、唯一といってもいい情報源だった。後宮内には様々な流言蜚語が飛び交っているため、噂話など当てにはならなかった。面白半分に誇張された話を聞いても意味がないどころか、害悪でしかない。信憑性を言うならば、戦略的見地の乏しいオイゲンの言葉も怪しいものだが、少なくとも彼が得ている情報自体に間違いはないだろう。
「はぁ、あぁ……そ、そこ……」
 オイゲンの指がクリトリスに伸びると、クルルは甘い声を上げながら、上半身をくねらせた。  3年もの間オイゲンによって開発され尽くした身体は、今や軽いタッチだけでも快感が込み上げてくるようになってしまった。その上、オイゲンには性感帯の隅々まで知られている。彼がその気になれば、あっという間に潮を吹かされてしまう。もはやクルルの身体は完全に支配されている状態だった。
 陰核をねちっこく擦られて、白濁とした愛液が膣口から溢れ出る。
「お前は本当にクリトリスが好きだな、クルルよ」
「だ、だって、オイゲン様の愛し方が、とってもお上手なんですもの……」
 彼に心を許したわけではもちろんないが、快感の荒波に翻弄されていると、ついつい甘えた言葉を口にしてしまう。行為の後になってから自分の浅ましさに落ち込むことになるのは分かりきっているのに、更なる快楽を求める本能が、女として媚びた態度を取らせるのだ。
 情けない、とクルルは思う。後宮に入ってから3年が経った今でも、夜にひとりで枕を濡らすことがある。アンジェリカは戦場で武勲を積み重ねているというのに、自分は何もすることなく年月を浪費し、たまにやってくるオイゲンにを抱かれる日々を過ごしているのだ。ベッドで目を閉じて眠気が訪れるのを待っている間に、ふとそんな現状を思い返してしまうことがあり、その時は必ず涙が止まらなくなる。寝る際にはなるべく余計なことを考えないように気を付けてはいるのだが、どうしても避けられない日がまれに予兆もなく訪れるのだった。
「こうされると気持ちが良いのだろう?」
 オイゲンは、からかうように言いながら、クリトリスを擦る指に力を入れ始めた。
 ベッドを共にする時は、いつも決まってここをしつこく弄られる。そのせいか、クリトリスが3年前よりも明らかに肥大していた。胸の膨らみも、手の平で覆い隠せない程度にまで大きくなっているので、クリトリスも単に身体の成長に伴って大きくなっただけなのかも知れないが……。
 髪も随分と伸びた。昔は、長くもない後ろ髪を、アンジェリカによって無理やり括られていたのだが、今はもう、すっかり立派なポニーテイルを形作っている。
 陰核への刺激が強まり、痺れるような快感がクルルの下半身を貫いた。
「き、気持ち良いです、オイゲンさまぁ」
 心からの言葉だった。
 初めて彼に身体を捧げてから、こうして素直に快楽を受け入れるようになるまで、それほど長い時間は掛からなかった。嫌でも身体が反応してしまうからというのが一番の理由なのだが、精神的な問題も関連している可能性は否定できない。
 後宮の女で唯一の平民であるクルルは、この3年間、極めて不遇な扱いを受けてきた。身の回りの世話をしてくれる女官も貴族であるため、クルルに味方する者は誰一人として居なかった。そんな中で、身体目当てとはいえ自分のためにせっせと後宮に通ってくるオイゲンは、クルルにとって唯一の話相手であった。気軽に近況を報告し合うような仲ではないとはいえ、言葉のやり取りが成立するというだけで、どれだけ心の安定に寄与したか分からない。もし後宮に入れられたままオイゲンに放置されていたら、今頃は気が狂っていたかもしれない。無論、彼に対して嫌悪感を抱いているのは今でも変わらないが、最初の時ほど無下にできない存在になってしまったのは事実だった。
 だから、オイゲンに甘えるのは、快感に溺れているためのみならず、彼に依存しているからであると考えることもできるのだが、そのあたりは自分のことながらクルルにはよく分からなかった。

 いつの間にやら部屋の外が騒がしくなっていた。悲鳴にも似た高い声と、慌ただしい足音が、閨に響いてくる。只ならぬ様子に、クルルは、身体の熱が急速に冷えていくのを感じた。
「何事でしょうか?」
「分からぬ……」
 クルルの問いにオイゲンは不安げな声で答えた。心なしか、彼の顔が青ざめているように見えた。騒ぎの原因に一応の心当たりがあるらしい。
「オイゲン様!」
 後宮の閨に男の兵士ふたりが飛び込んできた。それだけでも異常な事態であることが分かる。男子禁制の後宮に男が乗り込んでくることなど、通常では有り得ない。
「な、なんだ、こんなところにまで……」
 オイゲンは狼狽を隠せない。
「失礼しました。ですが事態が逼迫しているためご容赦ください」
 ふたりの兵士は息を弾ませていた。よほど必死にオイゲンを探し回っていたのだろう。
「首都に向かって急進していた反乱軍が、すでに城へと雪崩れ込みつつあります!」
「馬鹿な。援軍はどうしたのだ?」
「周辺国からの援軍が敗走を始めた上、我が軍の北部方面隊までもが寝返った模様! もはや形勢は決しました。護衛を連れてお逃げください!」
「…………」
 オイゲンは顔を真っ青にしていた。いかに無能なオイゲンでも、勝ち目が薄いことを悟ったようだった。
「オイゲン様、お急ぎを!」
「う、うむ……」
 オイゲンは震えるあまり、自力で着替えることもできなかった。兵士に手伝ってもらい、なんとか衣服を身に付けていく。
「…………」
 慌てている彼らを、クルルは、冷めた目で見ていた。反乱の首謀者が誰かは知らないが、大したものだ、と思う。王族の直系である姫様が動いたところで、まず10年は掛かると思っていたのだけど、まあ、現実なんてこんなものかもしれない。数年前には何も持たなかった者が、ほんの些細な切っ掛けから、とんとん拍子に話が進んで、大勢力を築き上げてしまう。歴史を紐解けば、そのような事例はいくらでもある。
「はぁ」
 クルルは大きく息を吐いた。今さら考えても仕方のないことだ。オイゲンとその護衛はここから逃げ出すつもりでいるようだが、クルルの見たところ、とても叶いそうになかった。ここまで見事な反乱を実行できるほどの首謀者が、みすみすオイゲンを逃すとは考えにくい。
 こんなところでオイゲンもろとも殺されることになろうとは思わなかった。アンジェリカが王座を奪回するまでの我慢だ、と自分を納得させて今まで耐えてきたというのに、それも全くの無駄になってしまった。このような結果になると知っていたならば、とうの昔に自ら命を絶っていたものを……。
 いや、今からでもそうすべきか。
 オイゲンの側室が反乱軍に捕まれば、どのような扱いを受けるか、わずかな想像力さえあれば、悲観せずにはいられなかった。女として辱めを受けてしまうことは覚悟しておくべきだろう。
 クルルは、部屋の中央にあるテーブルに目をやった。いくつかの高級な果物が用意してあるテーブルには、それらを切り分けるためのナイフが置いてあった。
 大慌てで脱出の準備を整えているオイゲンと兵士たちを余所に、クルルは、覚束ない足取りで中央のテーブルに近付いた。まともな思考ができていないことは自分でも分かっていたが、足を止める気にはならなかった。

 指先がナイフに触れる。それを掴み取る直前、部屋のドアが勢い良く開け放たれた。薄暗い寝室に光が差し込む。
 クルルは眩しさに目を細めた。そのため、侵入者の姿は輪郭でしか捉えられなかった。
 侵入者の背は低かった。それに、どことなく少女のように華奢な体付きをしているように見える。
 ひょっとしたら侵入者はアンジェリカではないか、とクルルは一瞬だけ思ったが、そんなことがあるはずはない、とすぐに思い直した。事実、侵入者の声はアンジェリカのものとは違っていた。
「どうやら間に合ったようね」
 明らかにアンジェリカの声ではない。けれど、落ち着き払った少女の呟きには、どこか聞き覚えがあるような気がした。誰だろう。こんな状況にもかかわらず、クルルは小首を傾げて考え込んだ。
 その間に、侵入してきた少女は、軽く腕を振るい、2本の小型ナイフを投擲した。片方のナイフはクルルの髪を掠めた。小さな風切り音が耳に残る。
「ぐ、ぅ」
 後ろから呻き声がしてクルルは振り返った。
 オイゲンの両側にいた兵士ふたりが、ゆっくりと床に倒れ伏した。
 耳にした呻き声は一つだけだったので、兵士がふたり同時に倒れたことに意外な思いがしたが、よく見ると、片方の兵士は喉をナイフで貫かれていた。そのせいで、最期の声を絞り出すことすらできなかったのだろう。
「ひいぃ」
 オイゲンはその場に尻餅を着いて震え出した。
「…………」
 クルルは侵入者に向き直った。今の神速の動きには見覚えがあった。忘れるはずはない。もはや彼女の正体は明らかだった。百人斬りのシェリス。3年前に、クルルの目の前でアンジェリカを攫った張本人。
 今までどこかぼんやりしていたクルルの意識が、急速に引き締まった。
 シェリスは注意深く周りを見回していた。部屋の中に伏兵がいないかと警戒しているようだった。
 彼女の様子に、クルルは違和感を覚えた。シェリスの実力からすれば、たとえ奇襲されたところで難無く返り討ちにできるはずだ。彼女ひとりなら、わざわざ周囲に視線を走らせて警戒する必要はない。ということは、後続の安全を確保しようとしているのだろうか。
 クルルは再び入り口に目を向けた。
 予想通り、そこには人影があった。ひとりの少女が、ゆっくりとした足取りで部屋の中に入ってきた。逆光で顔が見えないはずなのに、クルルにはそれが誰であるのかが予期できた。
「姫様……」
 長らく口にしてこなかった言葉だった。
「待たせたわね、クルル」
 凛とした声がクルルの聴覚を心地良く刺激する。懐かしさが込み上げてきて、瞳から熱いものが零れ落ちていく。
 アンジェリカの背はそれほど変わっていないものの、身体には女らしい丸みが出ていた。それでも、その人影がアンジェリカであることは疑いなかった。
 涙で霞む視界の中を、アンジェリカが近付いてくる。
 3年前とは違い、アンジェリカは、戦場に場違いなドレスで着飾っていないようだった。動きやすそうな軽装に身を包んでいる。軍人らしくなく腰まで届くほど長かった髪も、今は肩の辺りで切り揃えられていた。
 だいぶ見た目が変化しているものの、自信に満ち溢れた勝ち気なお姫様は、3年前と同じように屈託のない笑顔をクルルに向けた。
「助けに来たわ。遅くなってごめんね」
「あ、あう、姫様……」
 優しい言葉を掛けられて、止め処なく涙を溢れさせてしまう。
「泣かないで、クルル」
 アンジェリカに頬を拭われて、クルルはこくこくと頷いた。
「3年ぶりね。もう少し早く来ることも可能だったかもしれないけれど、私にはこれが限界だったわ」
「よく言うわね、お姫様」
 他に兵士がいないことを確認し終えたシェリスが、不服そうな空気を発しながら口を挟んだ。
「何度も危ない橋を渡って、ようやくここまで辿り着いたんじゃないの。私が居なかったら、あなたは少なくとも10回は戦死しているわ。今だって、本陣から離れてこんなところまで入り込んだりして」
「あんたがいなければそこまで無茶なことはしてないわ。信頼しているからこそだと思って欲しいわね」
「本当かしら」
「疑ってなんかいないくせに。というか、信じてるって言って欲しかったんでしょ」
「そんなことはないわ」
 シェリスは拗ねたようにそっぽを向いた。
「…………」
 ふたりのやりとりを、クルルは、複雑な思いを抱きながら見ていた。シェリスを仲間に取り込んでいたことにも驚いたが、妙に親密な関係であることの方が、より驚きだった。
 すべての元凶となったシェリスに対して、クルルは良い感情を持っていない。それは至極当然のことだろう。なのに、アンジェリカは何もかも許してしまっているだけでなく、仲良さそうに会話さえしている。クルルは少しだけ胸が苦しくなるのを感じた。
「クルル。そんなに嫌そうな顔をしないで。あなたの気持ちも分かるけど、シェリスが居なかったら、私はまだまだ中級指揮官の地位に留まっていたに違いないわ。反乱軍の旗頭として相応しい実績を持つことができずに、あなたの見立て通り、あと何年もくすぶっていたはず。シェリスがいたからこそ、私は今ここに立っていられるのよ」
「まあ、私の力だけではないけれどね」
 シェリスは、若干照れた表情を見せながらクルルに言った。
「私が居なければ10回は戦死していたとさっきは言ったけれど、私がいても何度か危ない瞬間があったのよ。はっきり言って、アンジェリカが未だ生きていられるのは運が良かったからでもあるわ。今日という日を少しでも早く迎えるために、無謀極まりない戦術を平気で実行してきたりしたのよ、このお姫様は」
「…………」
 クルルが黙っていると、シェリスは視線を彷徨わせて頬を掻いた。
「その、えっと、あなたの大事なお姫様を攫ってしまったのは確かにアレだったけれど……まあでも、その、なんて言うか、えっと……ごめんね?」
「……………………」
 気まずそうに謝るシェリスを見ていたら、なんだか、自分がつまらないことに拘っているような気がしてきた。まあ、三年前のことだし。
 クルルはぺこりと頭を下げた。
「責めるつもりはありません。むしろ感謝します。アンジェリカ様に力を貸してくれて、ありがとうございます」
「え、ああ。いいのよ、それは」
 シェリスは何故だか誤魔化すように答えた。
 少しだけ彼女の態度が気にはなったが、クルルは問い詰めようとは思わなかった。アンジェリカの配下になるまでに色々と事情があったのだろうことは分かる。それを詮索するのは気が引けた。

「さて、それじゃあっ」
 アンジェリカは、場を仕切り直すように大きく声を上げた。
「隅で震えているあの小物をどうしてくれようかしらねぇ?」
 オイゲンに近付いたアンジェリカは細剣を突き付けた。
「お久しぶりですわ、お兄様」
「ア、アンジェリカ……まさか余を殺すつもりではあるまいな? 実の兄である余を殺すなど、許されることではないぞ。わ、分かっておるな?」
「見苦しいですわね。最期くらい毅然としていたらどうです?」
「さ、最期? アンジェリカ、お前は……」
 オイゲンの顔から血の気が引いていく。
「姫様」
 見ていられなくなりクルルはアンジェリカに声を掛けた。
「あんたも何か言ってやんなさいよ。お兄様はすぐに話をすることができなくなるのだから、文句を言うなら今しかないわ」
「いえ、私は何も……」
「そう? じゃあさっさと永眠してもらいましょうか」
 アンジェリカが細剣を構え直すと、オイゲンは座り込んだまま後ずさりした。
「こ、殺さないでくれ」
「あんたに虐げられた人たちの気持ちも、これで少しは分かったでしょう?」
 オイゲンは必死に首を縦に振る。
「でも、もう遅いのよね」
 アンジェリカは細剣を突き立てた。オイゲンの頭を掠めて、切っ先が後ろの壁に弾かれる。
「あ、ああぁ」
 オイゲンは失禁しながら気絶した。
「外してしまったようね。やっぱり慣れないことはするものじゃないわ」
 アンジェリカはあっさりと剣を仕舞った。
 最初から殺すつもりはなかったのではないか、とクルルは思ったが、あえてそれを口にすることはなかった。もちろん個人的な恨みはあるし、これまでの業を考えればここで死ぬべき男なのかもしれないが、アンジェリカの選択に文句はない。
「無期限の軟禁、というのが妥当なところでしょうか」
 クルルが言うとアンジェリカが頷いた。
「まあそんなとこでしょうね。本人は、身の程知らずにも自分の境遇を不満に思ったりするでしょうけれど、私の知ったことではないわ。二度と顔を見たくないし」
「ええ」
 クルルもそれは全くの同感だった。この3年間のことを思えば、オイゲンの顔はできれば記憶に残ることすら避けたいくらいだ。むろん屈辱の日々を忘れたいという気持ちからそう思っているのだが、それだけではない。
 もしオイゲンに囲われていなかったなら、軍内で影響力を急拡大していく姫様を、すぐそばで見守っていられただろう。連戦連勝を続ける姫様の物語を、間近で見ていられたはずなのだ。それが悔しくてならなかった。

「まあ、お兄様のことはもう良いわ。それよりもやらなければいけないことがあるしね」
 アンジェリカはクルルとシェリスの顔を交互に見た。
「私が玉座につけば周辺国がぜんぶ敵に回るだろうから、これからは激戦に次ぐ激戦が待っているわよ」
「え? なんでそうなるんですか? そりゃあ、実権を持つ者が内乱で入れ替わったのだから、あまり良くは思われないでしょうけれど、だからといって、いきなり敵対されるとは思えません。良好な関係を築くチャンスはいくらでもあるはずです」
「……実はね、クルル。さっき、お兄様を助けに来た隣国の援軍を撃退してきたのだけれど、総大将はどうやら隣国の王が直接 率いていたようなのよ。で、シェリスがその総大将を討ち取ってしまったものだから、隣国はとても怒っているというわけ。周辺の国もそれに同調気味なので、本格的に戦争状態になる日も遠くないと思うわ」
「私のせいにしないで欲しいわね。私はお姫様の指示に従って奇襲を仕掛けただけよ」
 シェリスが肩をすくめる。
「そうねぇ。私の直接指揮する本隊で敵軍の猛攻を凌いでいる間に、シェリスが側面から突撃する。これが思いのほか上手く機能したのよね」
「ホント、こき使われているわね、私」
「それだけ頼りにしてるのよ。シェリスちゃん最強! かっこいい!」
「…………」
 シェリスは不満げな表情を作った。けれど、よく見ると満更でもなさそうに頬を緩めている。おだてられるのは嫌いじゃないらしい。
「そういうわけで、大変なことになっているのよ、クルル。あんたもこれから忙しくなるわよ」
「私、ですか?」
「ええ、もちろん。ずっと後宮にいたせいで最近の情勢には疎いだろうから、とりあえず私の副官として隣にいてもらうわ。最初は勝手がわからないかもしれないけど、副官は他に何人もいるんだから心配いらない。しっかりあなたの補佐をさせるから。慣れてきたら、ついでに諜報部隊を統括して頂戴ね。うん、なるべく早い方がいいわ。なにしろ周りは敵だらけになってしまったのだから」
「は、はい、頑張ります!」
 クルルは力強く応えた。
 まだあまり実感はないが、おおよその状況は掴めた。
 3年前に諦めた夢は終わっていなかったのだ。アンジェリカ姫の英雄譚はまだ始まったばかり。自分はそれを見届けることができる。私と姫様の物語はこれからも続くのだ。
 クルルは苦しいくらいに胸を熱くさせた。
「さあ、いくわよ! クルル! シェリス! 私たちの戦いはこれからよ!」
 3年前と同じく、アンジェリカの笑顔は眩しかった。
空想地帯 SM官能小説 inserted by FC2 system